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きゅうり

息子が小学校入学したての頃、学校から電話があった。

その日の朝、雨が降っていて、
登校時、近所の1年生の女の子が傘で息子に、ちょっかいを出してくるので
『やめて!』と傘で押し返したところ、その子と、その2歳違いの兄の傘に穴が開いた
と玄関で大騒ぎになったというのだ。

またか…と思った。
規格外の大柄な体型の兄妹、そしてその母は、有名な曰く付き親子で
悲しいかな、因縁の関係なのか、いざこざが耐えない。

担任が、登校班全員に事情を聴き、子供の力で空いた穴ではなく
元々空いていた穴だということで、相手の親に報告をしたという。

担任が、聞き取り調査の時、他に登校時に困ったことはないかと息子に聞くと
横断歩道を渡るとき、兄がニヤニヤしながら足を引っ掻けて
転ばせようとすると言っていたらしい。

兄の暴力は、近所で遊んでいる時もよくあるらしく
もうしないよう、指導をお願いした。


後日、また電話が。

息子の話は、『間違いだった!』と。

息子の話では、兄が何度も足をかけるという言い方だったが
兄に確認を取ったら、複数ではなく「一度」だけだったそうだ。
一度と複数では大違いだと、担任は大層な剣幕なのだ。

その少し前に、クラスでフルーツバスケットをした時
好きなフルーツの絵を描いたそうだ。
他の生徒はみんな果物を描いたのに、息子は「きゅうり」を描いたという。

あの言われようは忘れもしない。
『一人だけ野菜を描く子なんです。あの子はそういう子なんです。
だから、言うこと全てを真に受けないで下さい!』

カチン。

その晩、息子からも話を聴き、夫が私に代わり連絡帳に一筆記した。
どのような指示を受け、息子がどんな絵を描いたのかおおしえくださいと。

次の日、担任より謝罪の言葉が書かれていた。

息子は、それほど「きゅうり」は好きではない。
「キウイ」が大好物なのだ。

「きうい」ではなく「きゅうい」だと思っていた息子の書いた字が
担任には「きゅうり」に読めたらしい。
息子に聞くと描いた絵も、緑の長い物体ではなく、茶色の丸だったと言う。

想像力を働かせれば、容易に解りそうだけれども、常に入学したての生徒の
トラブル対応に追われ、右往左往で余裕がなかったのだろう。

年度末に渡された、学習の記録には作文や学習活動の課題など
一枚一枚、丁寧にまとめられていたのだが、あの「きゅうり」の絵は入っていなかった。
一体、どんな絵だったのだろう…。

息子は、明後日の遠足のお弁当にキウイを入れてほしいという。
これからもずっと、キウイを見るたびに、あの一件を思い出すのだろう。


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by MsNobody | 2017-10-15 22:38 | N | Comments(0)

やり場のない気持ちを徒然なるままに…


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